乾燥による「かゆみ」に役立つハーブ
ハーブのある暮らしで、毎日に彩りを。
ハーバリスト 岩橋たか子先生が綴るコラム「ハーブの庭」。
季節のハーブのおはなしやアレンジレシピなどをご紹介。
今回は、乾燥による「かゆみ」に役立つハーブのおはなしです。
乾燥による「かゆみ」は「肌の炎症」
肌が乾燥してくると、かゆみを感じることはありませんか?乾燥による肌のかゆみは、気温や湿度が大きく関係しています。
特に冬は一年のなかで最も気温と湿度が下がる季節です。
湿度が低くなると、空気中の水分量が少なくなるため、肌の水分が奪われて常に肌が乾燥した状態が続くようになります。すると、皮膚のバリア機能が低下して、肌が刺激されてしまい「かゆみ」を引き起こします。かゆみとは、肌が炎症した状態なのです。
また、気温が低いとカラダが冷えやすくなりますが、これも乾燥肌の原因のひとつとなります。日頃からのスキンケアと同時に、カラダの内側からのアプローチも大事にしたいですね。
そこで今回は、乾燥からくるかゆみを、外から、そして内側からケアできるハーブ活用法をご紹介します。
飲む美容液「ローズヒップ」のビタミン効果
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乾燥からくるかゆみは、保湿ケアで十分対応が可能です。ホホバオイルをはじめとしたカラダに優しい自然素材のオイルやクリームを意識して使う方が、最近は増えているようです。
大事なことは、乾燥からくるかゆみは、保湿クリームを塗るだけでは根本的な解決にはならないということ。カラダを温める、乾燥対策として加湿をする、肌を清潔に保つなどの保湿のための環境を整えることも必要です。
特に温かいハーブティーは、血流を促してカラダを温める効果とともに、免疫力を上げるといった、普段の健康づくりのサポーターにもなります。毎日飲むコーヒーや紅茶を一杯だけハーブティーに置き換えるだけでも、その作用を体感していただけると思います。
そして、数あるハーブの中でも美容に関しての王道ハーブは「ローズヒップ」です!ローズヒップは「ビタミンCの爆弾」というニックネームを持つほどビタミンCの含有量が多いのが特徴で、フラボノイドやリコピン、そしてペクチンなどの有用な成分もたっぷり含まれています。
ローズヒップは、かゆみのケアや予防に必要なビタミンCの補給になるだけでなく、コラーゲンの生成を促してくれるなど、女性には嬉しいことばかりのハーブ。
温かいハーブティーとして飲むのはもちろん良いのですが、ハーブのもつ有用な成分を全て取りきって欲しいので、ティーの後のやわらかくなったローズヒップは、ジャムにしたり、カレーやお味噌汁、ミネストローネなどのお料理にぜひ使ってみてください。ティーの後にそのまま食べでもOKですよ。
ローズヒップを余すことなくカラダに取り入れることができ、相乗効果もかなり期待できます。
インフューズドオイルづくりにチャレンジ
インフューズドオイルとは、植物油にハーブを漬け込んでその成分を抽出したもので、「浸出油」とも言います。
インフューズドオイルの作り方には、室温で行う冷浸法と、熱を加える温浸法があり、冷浸法は手作りが初めての方にオススメの方法です。
自分で手作りするというのは、なかなかハードルが高いと思われるかも知れませんが、ハーブを使ったアイテムづくりは思ったよりも手軽で簡単なんですよ。
今回ご紹介するオイルは、材料さえ揃えればすぐに作れますから、ぜひこの機会にチャレンジしてみてくださいね。
インフューズドオイルの材料
・植物油 50ml
・ハーブ 2~5g
※オイルにしっかり浸るくらいの量に加減してください。
・ガラス容器
※熱湯、アルコールなどで消毒しておく
オススメの植物油
・マカダミアナッツオイル
・ホホバオイル など
マカダミアナッツオイルには、お肌と同じ成分であるパルミトレイン酸が含まれているので、お肌になじみやすく酸化しにくいのが特徴です。オイルの中でも比較的使いやすいものになります。
オススメのハーブ
・カレンデュラ(トウキンセンカ)
・ローズヒップ
・ラベンダー
・ローズ など
カレンデュラには抗酸化作用のあるカロテノイドが含まれているので、キレイなオレンジ色のインフューズドオイルになります。
インフューズドオイルの作り方
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今回はマカダミアナッツオイルとカレンデュラを使いました。画像は漬け込んで2週間ほど経って、コーヒーフィルターで濾している所です。
このインフューズドオイルは、肌の乾燥や炎症といった肌トラブルに悩む方に特におすすめです。妊娠線予防のマッサージオイルとして、妊婦さんたちにとても人気のあるオイルでもあります。
- ガラス容器はしっかりと消毒をしておきます。
- ハーブはできるだけハサミなどで細かくカットします。※成分が抽出しやすくなります。
- 刻んだハーブ、そしてオイルの順に容器に入れ、しっかりと漬けます。
※この時に、ハーブがオイルから出てしまわないようにハーブをオイルにしっかり浸します。 - 1日1回、容器をやさしく振るなどしてそのまま2週間漬け込み、ハーブの成分を抽出します。
- 2週間後、コーヒーフィルターやキッチンペーパー、ガーゼなどでハーブを濾して完成です。
- 完成後は、冷暗所に置くなどしてなるべく早く使い切ります。
※一般的に保存期間は三か月です。
インフューズドオイルの使い方
完成したインフューズドオイルは、そのまま肌に塗って保湿ケアしたり、爪のマッサージオイルなどでも活用することができますよ。
素敵なハーバルライフを