生理前(PMS:月経前症候群)の眠気対策におすすめのハーブ
ハーブのある暮らしで、毎日に彩りを。
ハーバリスト 岩橋たか子先生が綴るコラム「ハーブの庭」。
季節のハーブのおはなしやアレンジレシピなどをご紹介。
今回は、ハーブでできる生理前(PMS:月経前症候群)の眠気対策のおはなしです。
生理前の眠気はどうして起こる?
生理前のイライラや頭の重み、めまいなどの不調といった、いわゆるPMS(月経前症候群)に悩まされている女性は、多くいらっしゃることと思います。
なかでも、「生理前・生理中は日中に眠くなって困る」という声をよく耳にします。
これは、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れなどにより、睡眠の質が下がることが原因のひとつです。また、生理前には血糖値が低下しやすくなる傾向があるため、低血糖状態によって疲労感や眠気を感じやすくなることも挙げられます。
この眠気の改善方法としては、質が高く十分な睡眠を確保すること。そして適度な運動とバランスの取れた食事を摂ることがポイントになります。
まずは、カラダを冷やす糖分やカフェインの摂取を極力控えて、カラダに負担をかけない植物性のタンパク質や野菜を含むバランスの良い食事を意識すると、睡眠の質も随分違ってくるはずです。
また、生理前にはストレスが増加しやすい傾向にあります。ストレスは自律神経のバランスを崩す原因となるので、自分なりのリラックス法を決めておくといいですね。
リラックスタイムにぜひ1杯のハーブティーをお試しください。温かいティーが、きっと不調を和らげてくれるでしょう。
レモンバームで副交感神経にスイッチを
レモンバームは「安眠のハーブ」と呼ばれ、穏やかなトランキライザー(精神安定剤)として使われているメディカルハーブです。
レモンバームは、気持ちの高ぶりを鎮めるだけでなく、頭痛や腹痛などをやわらげたり、抗菌、抗ウィルス、抗酸化など穏やかに作用する様々なフィトケミカル(植物化学)成分を含むので、幅広い用途に使う事ができます。
レモンの様な香りが特徴で、フレッシュでもドライでも美味しく飲む事ができるため、日本でもとても人気があるハーブです。
消化機能も亢進するので、夕食後にフレッシュなら葉を5~6枚、ドライなら小さじ1を熱湯に3~5分ほど蒸らして、香りを楽しみながらお飲みください。
好みでカモミールやペパーミントを少量加えると、相乗効果でより効果的です。
レモンバームを育てて活用しましょう
レモンバームはシソ科・多年草で、プランターでも育てやすいハーブです。
ハーブティーだけでなく、ハーブリキュール、ハーブビネガー、魚料理、デザートや菓子の風味づけなど幅広く活用できるのも魅力的です。
よい香りですが、意外に含まれている精油成分が少ないため、自分でドライにするのは難しいかも知れません。収穫してフレッシュのままリキュール※にしてみるのもお薦めです。
レモンバームの香り成分が溶け込み、お湯やソーダで割ったり、料理に使ったり楽しんでくださいね。
素敵なハーバルライフを。
※リキュールとは、一般的にはスピリッツ(蒸溜酒)に果実、花、ハーブなどの香りを移したものをいいます。またそれに糖分を加えたりして美味しくしたものです。