喉や鼻の粘膜の乾燥をケアするアロマ-香りも楽しむ風邪・感染対策
アロマの香りで、ひとときの癒しを。
アロマセラピスト 園田真紀先生が綴るコラム「アロマで深呼吸」。
不調やお悩み・暮らしに寄り添ったオススメのアロマをご紹介しています。
今回は、喉のケアに役立つアロマのおはなしです。
粘膜は免疫の砦
乾いた冷たい風が肌や喉を刺激する冬。
この季節の外気は、ウイルスや異物も含んでいるので、私たちのカラダの防御機能も必死に働いています。
異物やウイルスを排除しようと一番に働く免疫機能は、外気にさらされやすい喉や鼻など気道、そして乾燥と戦う肌です。
特に外気の通り道である気道には、免疫の砦である粘膜があります。
粘膜の仕組み
1日に2万リットルと言われる空気が、鼻や喉から肺へと入ってきます。その空気の中にある埃や煤煙(ばいえん)などの異物や、カビ・細菌・ウイルスなどが、肺まで侵入しないように働くのが、喉や鼻の気道にある粘膜と線毛です。
粘膜にある粘液で異物を捉えて、粘膜の下にある線毛へ異物を運び、線毛がゆっくりと喉の上部に異物を移動させて、痰として排出したり、食道に流し胃液で消毒したり、鼻からは鼻水などとして排出したりします。
粘膜と線毛は、異物が体の内部に取り込まれ炎症することを防ぐための大切な機能です。
そんな粘膜と線毛ですが、弱点は寒さ(気温)と乾燥(湿度)です。
冬にお部屋を暖かくして加湿器をつけることは、粘膜や線毛を潤すといった意味で「応援」している訳ですね。
外出の時にマフラーで首回りを温めたり、マスクで冷たい風から喉を守ることは、寒いからという理由だけでなく、粘膜をケアするという観点からも大切なことなのです。
アロマを使った喉のケア
粘膜や線毛を元気にするために、温めたり、加湿をする時に手軽に利用できるのがアロマです。
菌やウイルスを直接寄せ付けないように働く抗菌・抗ウイルス作用のある精油ティーツリー。
ネバネバとした痰を出しやすく溶解すると言われる精油ペパーミントやローズマリー。
そして、痰を出しやすく助けてくれるユーカリラディアタ。
ユーカリ精油には、手に入りやすいものの中にも数種類があります。(ユーカリグロブルス、ユーカリスミティ、ユーカリラディアタ、ユーカリレモンなど)
それぞれ得意な効果が違い、刺激性なども変わってきますが、ユーカリラディアタは比較的穏やかで、去痰作用が得意な精油です。すっきりとした香りで、深呼吸したくなりますね。
香りは爽やかで清涼感があり、抗鬱などの作用も期待できますので、ゆらぎやすい心のケアにもおすすめの精油です。
ユーカリグロブルスを使った保湿ケア
外出時の保湿レスキュースプレー(50ml)
【材料】
●ユーカリグロブルス 6滴
●ティーツリー 4滴
●エタノール 5ml
●精製水 45ml
【作り方】
1. エタノールに精油を入れてよく混ぜます。
2. 1に精製水を注いでスプレーボトルに入れます。
【使い方】
乾燥する空気を感じたら周囲にスプレーしたり、マスクに軽くスプレーしたり、手の平にスプレーして温めてから鼻や口から深呼吸をします。
喉や鼻の粘膜ケア
■喉を潤したいとき
コップ1杯の熱湯に、ユーカリグロブルス精油を1滴
■鼻・喉をスッキリさせたいとき
コップ1杯の熱湯に、ユペパーミント精油を1滴
※妊娠中やお子さん、高齢者の方はお控えください
■人混みが気になったり、喉の調子が不安なとき
コップ1杯の熱湯に、ティーツリーまたはラベンダー精油を1滴だけ入れて、目を閉じて鼻からゆっくりと深呼吸しましょう。寝る前のケアにもお勧めです。
精油の力を上手に活用することで、冬の免疫を応援しつつ、元気に過ごしたいですね。