生理前・生理中は眠くて眠くて…日常生活にも影響がでてしまいます。
デスクワークがメインの仕事をしている34歳です。
私は生理前から生理中にかけて、すごく眠たくなってしまうことに悩んでいます。
頭がぼーっとして、とにかく眠くて…。
瞬きをした瞬間にも寝てしまいそうなくらい異常な眠気があります。
生理前や生理中は、職場でも仮眠をとらないと、一日を過ごせないほどなんです。
寝るつもりはなくても、意識が飛んだように寝てしまうという経験、私もあります。
生理前・生理中の眠気に悩んでいる女性は、とっても多いんですよ。
ではどうして、生理前・生理中に強い眠気を感じてしまうのでしょうか?
その原因は、生理前と生理中とでは異なります。
生理前の眠気の原因は?
生理前の眠気はPMS(月経前症候群)の症状のひとつとされており、その主な原因には女性ホルモンと係わる次の3つが影響していると考えられています。
1. 女性ホルモンとアロプレグナノロン
女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。
このうちのプロゲステロンは、排卵日から生理が始まるまでに分泌量が増える女性ホルモンです。
このプロゲステロンが分解されて、眠気を引き起こすアロプレグナノロンという物質が発生することで、生理前に眠気を感じるようになると考えられています。
2. 女性ホルモンと体温の変化
本来、質の良い眠りをとるためには体温の変化が大切です。
人の体は、日中は活動するため体温は高く保たれており、就寝時は体温を下げることで、眠気が訪れるようになっています。
そして、深い睡眠の時ほど、人間の体温は大きく下がっているのです。
けれども、生理前の女性はプロゲステロンの働きによって、その体温に別の変化が起こっています。
プロゲステロンは、排卵日から生理が始まるまでに分泌量を増加させて、妊娠に備える指令を出します。
この妊娠に備える働きのなかで、女性の体は基礎体温が上昇し「高温期(高い体温が続く状態)」を迎えます。
そのため、生理前の「高温期」になると、日中から就寝時にかけて、一日の中での体温の変化がほとんどみられなくなります。
つまり、「高温期」である生理前の期間は、覚醒時と就寝時の体温の変化が小さくなることから、眠りが浅くなりやすく、日中にボーっとしたり、眠たくなったりすると考えられています。
3.女性ホルモンとセロトニンの低下
セロトニンとは、脳内で働く神経伝達物質のひとつで、別名「幸せホルモン」とも呼ばれています。
セロトニンには不安を和らげて精神を安定させる働きがあり、質の良い眠りを促すホルモンであるメラトニンの素にもなっています。
そのため、セロトニンの分泌量が低下してしまうと、気分の落ち込みや不安を感じやすくなったり、イライラしたり攻撃的になってしまうなど、精神的に不安定な状態となります。
また、良質な眠りがとりづらくなるため、眠りが浅くなったり、不眠になりやすくなったりします。
本来セロトニンは、日光を浴びたり適度な運動を行うことで、活性化されます。
ところが、生理前の女性ホルモンの急激な変化によって脳内が混乱してしまい、セロトニンの分泌に異常が発生し、生理前の期間にセロトニンの分泌量が低下すると考えられています。
そのため生理前は特に、精神的にリラックスした状態で熟睡できずに、眠りの質が低下しやすくなることから、日中に強い眠気を感じてしまうとも考えられます。
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生理前・生理中の眠気のセルフケア
生理前・生理中の眠気で困っているという方は、まずはご自身がリラックスできることを考えてみましょう。
良質な睡眠にはリラックスが大切です。身近なセルフケアを、いくつかご紹介しますね。
睡眠環境を整える
まずはよく眠れるように睡眠環境を整えましょう。規則正しい生活をするだけでも、眠りの質は変わってきます。
部屋の明かりを間接照明にすることもおすすめですよ。
自然な眠りを誘うホルモンであるメラトニンは、暗いところほど分泌されやすくなります。
就寝前にはヒーリング音楽などをかけて心と体をリラックスさせ、熟睡できる環境を作りましょう。
良質な睡眠のためのヨガを取り入れる
就寝前にヨガを取り入れてみてはいかがでしょうか?
良質な睡眠のためのおすすめヨガポーズは、「ガス抜きのポーズ」です。
このポーズをご紹介くださるのは、PMS改善ナビゲーターであり、ヨガインストラクターも務める中村あいさ先生。
中村先生によると、このヨガによって、就寝前に深いリラックスを感じることができることから、良質な睡眠が取れることが期待できるとのこと。
中村あいさ先生による「ガス抜きのポーズ」の解説記事も、参考にされてみてくださいね。
リラックス作用のあるハーブを取り入れる
リラックス作用のあるハーブなら、コーヒーや紅茶の代わりとしても日常的に取り入れやすいかもしれません。
メディカルハーブセラピスト岩橋たか子先生がおすすめする、リラックス作用のあるハーブには、カモミールやリンデン、レモンバームなどがあります。
リラックス作用のあるハーブについては、こちらの記事で岩橋先生が詳しく解説されていますので、ご参考にされてみてくださいね。
基礎体温と記録する
基礎体温をつけることで、「高温期」・「低温期」といった自分の体温の変化を把握することができます。
すると、生理前の眠気や生理中の眠気が、いつ頃から始まって、いつ頃終わるのかといった目安が把握できるため、生理前から生理中の眠気が強い期間を、どう過ごすと良いのかがわかってくると思います。
「あぁ。高温期だから眠いんだな。」、「女性ホルモンの影響で不眠が解消されていないんだな。」と、自分の体の変化を意識することで、「どうして、こんなに眠いの?」といった眠気が強い期間に感じる不安やストレスも軽減されやすくなると思います。
気分転換をする
生理中は激しい運動はおすすめしませんが、無理のない範囲で、軽いウォーキングや、気分の変わるお出かけをしてみることもおすすめです。
気分が変わると眠気がおさまることがあります。
ピルや漢方、サプリメントを利用する
ピルは排卵を止めてホルモンの変化を少なくするので、生理中の強い眠気が少なくなる可能性があります。
また、漢方は体全体のバランスを修正しながら自然治癒力を高めていくので、時間は少々かかりますが、体質自体が改善されて睡眠の改善につながることが期待できます。
婦人科系のお悩みに古くから使われてきた西洋ハーブのチェストベリー配合のサプリメントもおすすめです。
ぜひご自身の体に合うものを選んでみてくださいね。
どうしても眠いときは?
生理前・生理中にどうしても眠いと感じたときは、無理をせず昼寝をすることをおすすめします。
ただし、昼寝で深く眠ってしまったり、夕方ごろに昼寝をしてしまうと、夜の睡眠に影響してしまいます。
昼寝は12時~14時の間を目安に、30分以内で浅く眠ることがポイントです。
横になってしまうと深く眠ってしまうので、椅子に座ったり、テーブルにうつ伏せになるなど、浅く眠る環境で昼寝をしてみてくださいね。
生理前や生理中の強い眠気は、多くの女性が持つ悩みです。
自分の症状を理解して、向き合うことで改善につながることもあります。
眠さはずっと続くものではないので、今自分の体に起こっていることを理解し、いたわってあげましょう。
生理前・生理中も自分らしく過ごせるように、自分の心と体に寄り添っていけるといいですね。
参考文献:PMSの悩みがスッキリ楽になる本 著者/池下育子(池下レディースクリニック銀座 院長)