更年期の肩こり・首こりがツラい!こりの原因とセルフケアについて
今回は、がんこな肩こり・首こりに悩む、48才のお客様からご相談をいただきました。
仕事柄、デスクワークで一日中パソコンを見ていることもあって、長年、肩こりに悩んでいます。
以前はマッサージ機や肩こり解消グッズである程度は緩和していたのですが、最近ではマッサージ機などを使っても、首から肩にかけて広い範囲でこりが解消されず、いつも頭が重く感じます。
更年期になると肩こり・首こりは解消されにくいのでしょうか?
女性ホルモンの変化が大きくなるプレ更年期・更年期では、お客様のように、ひどい肩こりや首こりに悩む方が少なくありません。
また、これまで肩こり知らずだった方でも、肩こりになってしまうということもあります。
ではどうして、更年期になると肩こり・首こりになったり、こりを強く感じるようになるのでしょうか?
更年期世代の肩こり・首こりについてお話しますね。
更年期の肩こり・首こりの原因は?
更年期の肩こり・首こりの主な原因は、自律神経の乱れによる血行不良といわれています。
更年期を迎えると、女性ホルモンは急激に減少していきます。女性ホルモンが急激に減少すると、自律神経が乱れます。
自律神経が乱れると、血液の循環が悪くなり血行不良になります。
血行不良になると、疲労物質である乳酸が流れていかずに筋肉に溜まり、筋肉が固くなります。
その上、血流によって筋肉に届く酸素量も減ってしまうため、さらに乳酸が生成されてしまい、筋肉が凝り固まるという悪循環に陥ってしまいます。
また、血行不良による体の冷えが、より筋肉を固くしてしまう一因ともなっています。
そのため更年期世代では、これまで肩こりを感じたことがない人でも肩こりになったり、元々、肩こり・首こりに悩まされていた人は、肩こり・首こりがひどくなる傾向にあるのです。
その他、眼精疲労や老眼、加齢に伴う筋力の低下なども、肩こり・首こりを強く感じる原因と考えられます。
更年期の肩こり・首こりをセルフケアしましょう
入浴時は適温の湯船に浸かる
血行をよくし、凝り固まった筋肉をほぐすには、入浴時に湯船に浸かることが大切です。
お湯に浸かることで毛細血管が広がって血行が良くなり、疲労物質が取り除かれていきます。
効率的な効果を求めるのであれば、半身浴よりも首まで浸かる全身浴がおすすめです。
※「心臓などの体への負担」や「息苦しさ」などの全身浴への不安を抱える方は、無理をせずに半身浴をお試しください。
入浴の前後には、水分補給をしっかりと行いましょう。水分補給には体を冷やさないためにも、常温の水がおすすめです。
入浴時は、37℃~40℃前後のぬるめのお湯に、10分~15分程度、無理のない範囲で浸かります。
入浴によって体が温まると、リラックスを司る自律神経の「副交感神経」が優位になり、疲労回復につながります。
なお、42℃上のお湯への入浴は、血圧や脈拍を急上昇させて、興奮状態を司る自律神経の「交感神経」が優位になってしまいます。
そのため、入浴しても体がリラックスできずに、逆に疲労を蓄積させてしまう可能性もあります。
入浴時は適温での入浴を心がけたいですね。
ツボ押しで肩こり・首こりをケアする
天柱(てんちゅう)
■ツボの場所:うなじの生え際にある太い筋肉の外側にあるくぼみ
(風池から人差し指1本分内側にあるくぼみ)
■ツボの押し方:親指をツボに当て、頭の中心に向かって押し上げる
風池(ふうち)
■ツボの場所:首の後ろの生え際と耳の後ろにある骨の間にあるくぼみ
(天柱から人差し指1本分外側にあるくぼみ)
■ツボの押し方:親指をツボに当て、頭の中心に向かって押し上げる
肩井(けんせい)
■ツボの場所:乳頭から真上に辿った位置で、肩の先端と首の後ろの突起した骨を結んだ線の真ん中
■ツボの押し方:中指を伸ばしてツボを垂直に押す
肩こり・首こりをケアする成分を摂る
ビタミンE
ビタミンEは、血管を広げて血行を促進する働きがあります。
また、筋肉の緊張をほぐす働きもあります。
▼ビタミンEが豊富な食べ物
アーモンド、ドライトマト、アボカド、かぼちゃ、うなぎ、ツナ缶、卵黄
ビタミンC
ビタミンCは、ストレスへの抵抗力を高めて、疲労から筋肉を守る働きがあります。
さらに、先述したビタミンEの働きを高める補助的な働きもあります。
▼ビタミンCが豊富な食べ物
パプリカ、ブロッコリー、菜の花、キャベツ、キウイフルーツ、イチゴ
クエン酸
クエン酸は、疲労物質である乳酸の分解を促す働きがあります。
▼クエン酸が豊富な食べ物
梅干し、イチゴ、レモン・グレープフルーツなどの柑橘類
マグネシウム
マグネシウムはビタミンEと同じく、筋肉の緊張をほぐす働きがあります。
▼マグネシウムが豊富な食べ物
昆布・わかめなどの海藻類、豆腐・納豆などの大豆製品
ショウガオール
ショウガオールは、血行を促進して体を温める働きがあります。
▼ショウガオールが豊富な食べ物
生姜
※ショウガオールは、辛味成分のジンゲロールを加熱することで生まれます。
血行促進のために生姜を利用する場合は、加熱することがポイントです。
更年期世代の肩こり・首こりには、自律神経を整えて、血行をよくすることが大切です。
ご紹介したセルフケアも参考にしていただきながら、肩こり・首こりをケアしてみてくださいね。
参考文献
・著者:対馬ルリ子「プレ更年期から始めよう」2007年11月21日発行
・監修:堀口雅子「最新版 更年期障害これで安心」2009年8月11日発行
・著者:ほしばあやこ、松鳥むう「最新版だって更年期なんだもーん」2016年2月29日発行