更年期の喉の渇き・つまったりイガイガするのは何故?
今回は、喉が乾燥してイガイガするような違和感に悩む、50代のお客様からご相談をいただきました。
ここ最近、食事の時に食べ物が喉につっかえる感じがしたり、何もしてない時でも、喉の奥が乾燥でイガイガするような違和感を感じています。
これも更年期が原因なのでしょうか?
女性ホルモンの変化が大きくなるプレ更年期・更年期では、お客様のように、喉がイガイガとしてつまるような不快感を感じたり、頻繁に喉が渇くといった、喉への違和感を感じる方が少なくありません。
ではどうして、このような違和感を喉に感じてしまうのでしょうか。
更年期世代の喉のつまりやイガイガ、喉の渇きなどについてお話しますね。
更年期の喉の違和感 その原因は?
更年期の喉のつまりやイガイガとした違和感、頻繁な喉の渇きは、唾液の分泌量の低下によるドライマウス(口腔内の乾燥)が原因とされています。
通常、口の中は唾液が出ることで潤った状態になっています。
ところが、加齢と共に唾液の分泌能力が低下するため、高齢になるほど口の中は乾燥しやすくなっています。
また、加齢と共に食道付近の筋肉が衰えて、飲み込む機能も低下することから、食べ物がつまるような違和感を感じる場合もあります。
さらに更年期世代の女性では、皮膚や粘膜の潤いを保つ働きのある女性ホルモンの分泌量が減少することで、口の中の乾燥や喉の違和感を、より感じやすくなっています。
加齢と女性ホルモンの減少という2つの要因により、女性では50歳以上になると、ドライマウスの症状を感じる方が急増する傾向にあると言われています。
なお、唾液の分泌量が低下することで、口の中の抗菌作用や自浄作用が低下することから、更年期世代では、虫歯や歯周病にかかりやすくなったり、口臭がひどくなるといった別の口腔トラブルを抱えるケースも考えられます。
喉の違和感や渇きが気になる場合は、我慢せずに歯科や口腔外来を受診してみることも大切です。
更年期の喉の違和感をセルフケアしましょう
更年期のドライマウスに伴う喉の違和感は、その他の口腔トラブルの原因となる可能性もあります。
日頃からできるセルフケアを、いくつかご紹介しますね。
規則正しい生活を心がける
起きている時と体を横にしている時とを比べると、起きている時の方が唾液の分泌が増えます。
更年期を迎えると、だるさや体の重さを感じて、一日の中でも横になる時間が増えてしまう場合もありますが、体調が良い時はできるだけ起きてメリハリのある生活を心がけてみてください。
タバコを吸っている人は、まずは禁煙することが大切です。
タバコに含まれるニコチンは、口の中の粘膜を荒れさせる要因となります。
よく噛んで食べる
食べ物をよく噛んで食べることで、唾液の分泌が促されます。
喉のつまりが気になるからとパサパサとした硬い食べ物を避けて、おかゆのような柔らかい物ばかりを食べていると、噛む回数が減ってしまい、結果的に唾液の分泌量も低下してしまいます。
硬いものをよく噛んで食べることも意識しながら、食事のメニューを検討してみてくださいね。
市販の保湿製品を活用する
口の中の粘膜を修復するうがい薬や、喉に潤いを与える保湿タイプのマウススプレー・ジェルなどが市販されています。
喉の違和感が気になる場合は、上手に活用してみましょう。
特に就寝中はほとんど唾液が分泌されません。
就寝前に口の中の保湿ケアをしたり、就寝用の保湿マスクの利用もおすすめです。
ガムやアメを持ち歩く
ガムを噛むことは、唾液の分泌を促すことから、喉の潤いケアに最適です。
また、のど飴などは一時的な喉の違和感を手軽にケアすることができるので、おすすめです。
ガムやアメをカバンに入れて、いつでも取り出せるようにしておくと安心できますね。
リラックスタイムをつくる
ストレスによって緊張が高まると、唾液の分泌量が低下してしまいます。
一日のなかでも、リラックスできる時間をつくりましょう。
ティータイムには、心を鎮める作用のあるジャスミンティーなどがおすすめです。
更年期世代の喉のつまりやイガイガする違和感、喉の渇きなどには、唾液の分泌がポイントです。
無意識に分泌されている唾液を意識することは難しいかもしれませんが、ご紹介したセルフケアも参考にしていただきながら、意識的に喉の違和感を軽減していけるといいですね。
参考文献
・著者:対馬ルリ子「プレ更年期から始めよう」2007年11月21日発行
・監修:堀口雅子「最新版 更年期障害これで安心」2009年8月11日発行
・著者:ほしばあやこ、松鳥むう「最新版だって更年期なんだもーん」2016年2月29日発行