これも更年期が原因?頭痛に腰痛・筋肉痛・関節痛、体のあちこちが痛い
更年期世代のお客様から多くお寄せいただくご相談に、次のようなものがあります。
頭痛や肩・首周りのこりが以前よりひどくなりました。
立ち仕事なのですが、背中や腰の痛みがつらいです。
関節痛や筋肉痛が続いて、とにかく体のあちこちが痛むのですが…。
これらの痛みは、更年期に起こりやすい症状とされています。
ではどうして、体のさまざまな場所で痛みが出てしまうのでしょうか。
更年期・プレ更年期にみられる体のさまざまな痛みについてお話しさせていただきます。
更年期世代が感じる「体のあちこちが痛い」のは、どうして?
更年期世代が感じている痛みの原因にはさまざま要因がありますが、ここでは主な要因を2つご紹介します。
1.自律神経の乱れによる血行不良
女性ホルモンの変化が大きくなる更年期・プレ更年期。
女性ホルモンと自律神経は、脳の視床下部を通して互いに影響を受けやすくなっていることから、女性ホルモンのバランスが乱れると、自律神経も乱れやすくなってしまいます。
自律神経には、血流を調節する働きがあります。そのため、自律神経が乱れてしまうと血行不良を招いてしまいます。
血行不良になると、疲労物質が体内で滞って蓄積されてしまいます。その結果、筋肉が緊張したり炎症を起こして、痛みを感じるようになります。
中でも頭を支えている首や肩、体の中で一番負荷のかかる腰、日常動作の中で最も動かしている関節などには、特に痛みが生じやすくなります。
また、血行不良と老眼によって生じる眼精疲労から、頭痛や肩こり、首筋のこりなどを感じるようになります。
2.女性ホルモンの減少に伴う潤い不足
更年期・プレ更年期では、女性ホルモンであるエストロゲンの減少によって、皮膚や粘膜などに潤い不足しやすくなります。
そのため、肌のハリやツヤに影響が出たり、ドライアイや喉の痛みなどを感じることもあります。
この潤い不足は、関節をスムーズに動かす働きをしている関節液でも起こります。
エストロゲンの減少によって関節液が減少してしまい、関節に痛みを感じるようになります。
この関節の痛みは、体の節々であらわれることから、体のさまざまな部位で痛みを感じるようになるのです。
更年期で「体のあちこちが痛い」と感じたら…
血行を促すためにも 、まずは「体を温める」ことが大切です。
入浴時には、ゆったりとしたバスタイムをとることで、しっかりと体を温めることができます。
食事では、ニンジン・ごぼう・ショウガなどの「体を温める食材」を意識して取り入れることもおすすめです。
また、同じ姿勢でいると、筋肉を疲労させてしまいます。
長時間のデスクワーク時や読書などを楽しんでいる時でも、同じ姿勢が続いている場合は、時々、姿勢を変えたり、痛みが気になる部分をほぐすような軽いストレッチをこまめに行うなど、筋肉の疲労を和らげることを意識してみましょう。
女性ホルモンの減少を止めることはできませんが、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンを含む大豆製品を摂ったり、サプリメントなどを上手に活用することもおすすめですよ。
参考文献
・著者:対馬ルリ子「プレ更年期から始めよう」2007年11月21日発行
・監修:堀口雅子「最新版 更年期障害これで安心」2009年8月11日発行
・著者:ほしばあやこ、松鳥むう「最新版だって更年期なんだもーん」2016年2月29日発行