急に気分が落ち込んで悲しくなったり泣いてしまうのは更年期のせいですか?
44歳あたりから、月経不順があったり、肩こりがひどくなったりと、なんとなく更年期のような症状かなと感じることがありましたが、ここ最近は、ふとしたことで急に悲しくなって、涙がぽろぽろでてきたり、くよくよして憂鬱な気分になることが増えました。
たとえば、子どもがお弁当を残してきただけで、「早起きして頑張って作ったのにどうして残すの」と、なんだか悲しくなって台所で泣いてしまったことも……。以前ならこんな気持ちにはなりませんでした。
日々気分の浮き沈みや情緒不安定になるのが辛いです。これは更年期が関係しているのでしょうか。
情緒が安定せず気分の浮き沈みがあるのは、とてもお辛いことと思います。
これは更年期に生じる症状の一つで、多くの女性が悩んでいます。更年期に入ると、ホルモンバランスが崩れることが原因で、心のトラブルが現れることも多く、おおらかで明るかった人が、急に鬱っぽくなりネガティブな人になってしまうというのも珍しいことではありません。
やはり更年期が関係しているのですね。ホルモンバランスが崩れることが原因ということですが、体の中で何が起こっているのでしょうか。
更年期になると卵巣から分泌される女性ホルモンの「エストロゲン」の量が減少します。
卵巣に「エストロゲンを分泌しなさい」と指示しているのは、自律を調整する役割を持つ脳の視床下部ですが、更年期になるとエストロゲンの量は減っているので分泌がうまくいきません。
そうすると、視床下部が混乱して、自律神経が乱れてしまいます。この乱れのために、落ち込んだり、気分の浮き沈みがあったりするのです。
なるほど。自律神経が乱れてしまうからなんですね。
そうですね。また、エストロゲンが減ることによって
・忘れっぽくなる
・判断力が鈍る
・体力や気力が低下する
ということも起きてきます。このような自身の変化に戸惑ったり、落ち込んだりすることも少なくありません。
いままで自信を持ってやっていたことも「うまくいかなかった」と思い込み涙が出ることもあります。今までこんな感情になったことがなかったのに……。
その状態も、エストロゲンの分泌が低下していることで刺激されやすい精神状態に陥っている証拠ですね。更年期になると、すぐに動揺して涙が出てくるという方は多くいらっしゃいます。
感情の浮き沈みなく、穏やかに過ごすためにはどうしたらいいでしょうか。
自分の心と体と対話する
「更年期の症状は我慢すればいつかは無くなる」と思っている人もいらっしゃるかもしれません。でも更年期の症状は気持ちで治るものではありません。
自分自身と向き合って、今何が辛いのか、じっくり考えてみてください。そうすると、これからどうしていこうかというやり方が見えてくるはずです。
お医者様にすぐに相談するのもいいですし家族や周りの人に自分の症状を伝えておくこともいいでしょう。
女性特有のお悩みは、家族や周りの人にも相談しにくいかもしれませんが、周りの人が自分の辛さを分かってくれていると、案外安心できるし、心強いものですよ。
食生活を見直す
女性ホルモンと似たような構造である大豆イソフラボンを日々の食事に取り入れてみてください。大豆イソフラボンは、減少していく女性ホルモンのエストロゲンを補って、更年期の症状を予防してくれます。
大豆イソフラボンを多く含む食材は
・納豆
・豆腐
・味噌
・油揚げ
・きなこ
などです。和食中心の食生活にすると大豆イソフラボンを摂りやすいですね。
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体を動かす
更年期の時期は、体調が優れずあまり動きたくないという方も多いでしょう。でも更年期は基礎代謝がより下がって太りやすくなったり、骨が弱くなったりもしていますので、少しでも体を動かす方がよいのです。また、体を動かすことによって気持ちが前向きになって、くよくよとした気分を晴らしてくれます。
ウォーキングやスクワットなどを無理せず出来る範囲で体を動かしてくださいね。